forget forgot forgotten

ゆく川の水は何とやら。 思い出はあるけれど、忘却の彼方に置き忘れた物たちは、どんな色や形をしていたのだろう。 その断片だけでもつなぎとめるために、訥々と、時に意味もなくただ書き連ねよう。

5.20

つくられた 秘密の花園めいた庭 少女が掲げた 「即効元気」

あおぞらに 少女が掲げた 白き手に しかと握りし 「即効元気」

スマホから 世界に放つ 革命の 旗に刻みし「即効元気」

 

昼下がりのデパートの屋上で、少女が手を空に突き出し、反対の手で写真を撮っている。握り締められた「即効元気」と書かれた栄養ドリンク。強烈なパワーワードと空に掲げられたか細い手が、ドラクロワが描いた革命の乙女を彷彿と…というのは言い過ぎだろうけど、スマホから穏やかでない世界に発信されるその4文字は、少女が意図せぬ所で充分革命めいた力を持つような、そんな気がした。